忍夢と僕・2
□僕とストーカーとおやつ
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『あー…つまらん、非常につまらん…。どうしてくれる?この気分の悪さ…』
天気は晴れ、今の時刻はおやつ時。
今日の木の葉も、変わらず平和だ。
鳴「仕方ないだろ?任務なんだし…。それに、サスケは引っ越しの準備しなきゃいけないし、シカマルは親父さんの手伝い、サイはわからないけど、イノもサクラもチョウジもキバも用事があるって言ってるわけだしさ。また今度にしよ?」
『僕は今日行きたかったんだ!!』
木の葉にある甘味屋で僕のお気に入りの店があるのだが、和菓子がたくさんあり、それはもう虫歯一直線になるほど美味しい。
その店に行こうと最初ナルトを誘ったのはいいが、暗部の任務があるからと断られてしまったのだ。
続いて、サスケ、シカマルと誘ってみたのだが、見事に打ち砕かれてしまった。
『何が楽しくて一人で餡蜜や団子を食わねばならんのだ…。なぁ、ナルト?』
鳴「行ってきまーす…」
『おい、こら!!……逃げたな』
瞬身の術でパッと居なくなってしまい若干腹がたったが、任務と言われれば仕方がない。
『…一人で行くか』
結局、頭から甘味屋が離れなかった僕は、甘いもの食べたさに外へと足を運んだ。
久しぶりに木の葉を一人で歩くが、いまだに「化け狐」という言葉が聞こえてくる。
いや、正しくは化け狐のツレだが。
『(ほんと、何も変わらないな)』
なんて思いながら甘味屋の前に着きのれんを潜れば、人の多さに少しばかり驚いた。
何ヵ所か空いているが、迷わず奥の角っこにある二人用の席へと腰を下ろす。
ここなら営業妨害にもならないし、人目も気にならない。
安心して和菓子を食べることができるだろう。
そんなことを考えながらメニュー表を開き、どれにしようか迷う。
全部頼んでも構わないが、さすがに引かれてしまいそうだ。
だからといって、2・3個では絶対に腹は膨れない。
『(どうしたものかな。こんなとき、イノやサクラがいれば…)』
かれこれ悩んで30分、僕はまだ決めれずにいた。
そんななか、突然肩を叩かれる。
「…そこ、座っても?」
振り返ってみれば、目から下を布で隠している怪しい男が立っているではないか。
席は空いているというのに、わざわざ同席したいだなんて変わっている。
角っこ好きなのだろうか。
『…どうぞ、僕は席を移動「いや、できれば同席願いたい。一人旅なもので、話し相手がほしかったところだ。他は、家族連れや恋仲、友人同士といったところだろう?」
男の言う通り、一人で来ているのは僕だけだった。
みんなに断られたことを思いだし、また腹がたったが、一人で和菓子を食べてもつまらない。
『そうだな。一緒に食べよう』
男は軽く頭を下げると、僕の向かい側に腰を下ろした。