忍夢と僕・2

□僕とストーカーとおやつ
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それからというもの、行くところ行くところ、必ずといっていいほど太郎さんに出くわす日々が続いた。

どうやら、しばらく木の葉にいるようだ。

最初は、木の葉もそう広くないし、観光する場所も限られているからだろうと思っていたのだが、ここまでくると怪しいの一言につきる。

そして、今日は一楽という屋台ラーメン屋に来ているのだが、隣にはやはり太郎さんがいるのだった。

「…食べるか?」

『食いかけを?』

「……いや、食べないよな」

『ラーメンはさすがになυ』

一度怪しいと疑ってしまったからか、前みたいに会話が弾まない。

気まずい空気が流れるなか、店主であるテウチさんが助け船をだしてくれた。

「そういやぁ、今日はナルトと一緒じゃないのかい?」

『あいつは最近忙しいんだ。アカデミーの卒業試験が近いからな…。修行に打ち込んでる』

まぁ、暗殺任務が立て込んでて…とは言えない。

「もうそういう時期なのか!!合格したら、ラーメンを奢ってやるって伝えといてくれ!!」

『なんと!!僕も奢ってほしいぞ!!』

「おぅおぅ!!当たり前じゃねぇか!!よっ!!2虎1!!頑張ってな!!」

2人で一つだと言われ、変に照れ臭くなってしまった。

緩む頬を隠しきれず、思わず太郎さんの肩にパンチをお見舞いする。

「いっ、痛いぞ?υなかなか力があるんだなυ…柚姫は忍を目指しているのか?」

『…いや、そうじゃない…』

アカデミーに入ったのは、忍になるためではない。

ナルトと妖狐のそばにできるだけいたかったからだ。

それに、僕は忍になってはいけない。

任務をこなす日々を送れば、嫌でもチームを組まなければならないし、そんなことになれば、赤い目の男を探しに行けなくなってしまう。

「なにか、別の目的が…?」

『目的というか、産まれて初めてできた友達のそばから離れたくないだけ、かな。太郎さんは木の葉の人間じゃないから言えるが、僕の友達の中には、「孤独」に殺されかけた子が何人かいるんだ』

「殺され…かけた?」

『…独りで生きていけるか?』

「――っ…」

『独りは…怖い。闇よりも恐ろしい…。孤独は、…人を簡単に殺せる。僕も、その中の一人だったんだ…。ナルトとはすけっていう友達がいるんだけど、この2人も孤独に殺されかけた。アカデミーに通ってて、僕はこの2人から離れられないんだ。他にもならまるとか何人かいるけど。みんな、家族がいるからさ』

そう言い、情けなくも俯いてしまえば、太郎さんはそっと僕の頭を撫でた。

いきなりのことで驚いてしまったが、その手つきは撫で慣れてるかのようで、とても心地がいい。
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