忍夢と僕・2

□僕とカエルとナメクジ
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『狼神柚姫…。隣で寝ているのは羅月だ。以上』

綱「…好きな物とか嫌いな物とか色々『忍は多くを語ってはいけない、じゃないのか?』

僕の問いかけに、一瞬顔をしかめた綱手は窓の外に目を向けた。

綱「…まぁいい。それよりもサイのことだ」

そう言い、綱手は僕と向かい合うように体制をかえる。

綱「お前の話した通り、チャクラは半分も使わずとサイの手足は元に戻ったよ」

『…歩いたり手を使うことは?』

綱「問題ないだろう。…それから、もう一つ。袋の一部を切り取り調べてみたんだが…、なんだか気持ちが悪くてな。良かったらだが、お前に渡そうと思ってここに持ってきたんだ…」

机の下に手を突っ込み引っ張り出したもの、それはまさしくあの袋だった。

『…気持ち悪いって、どういう意味だ?』

あまり話したくないのか、綱手は固く口を閉じてしまう。

しかし、目の前に袋を出され、検査結果もでているとなれば、気になるのは仕方のないことだ。

『話してくれ…』

綱「………この袋は、人の皮膚で作られていた。恐らく、何らかの特殊なチャクラの持ち主の皮膚だろう。…こう言うのは、そいつに対して失礼かもしれないが…。気持ちが悪いんだよ…」

医療に関して知識がない僕でも、なんとなく予想がつく。

あの男は、人間の皮膚を剥がしたのだ。

『…僕達を拐った男は、自慢気にこう言ったんだ。…「素晴らしいだろう?この世に一つしかない、俺のお手製だ」ってな…』

綱「同じ人間はこの世にいない。だから…」

奴はもう死んでいる。

わかっているが、怖かった。

あいつが僕にしたことは、耐え難い拷問だ。

すぐに忘れるなど無理な話。

だけど、負けたくない。

『…その袋は僕が預かる。もし必要な時が来たら言ってくれ。まだ役に立つかもしれない…』

綱「すまないな…」

この場に居るのが耐えれなかったのか、一言謝ると綱手は部屋を出て行った。

『「「…羅月、起きてるんだろ?」」』

羅《「「…屋根裏に暗部がいるようだが、いいのか?」」》

『「「だから獣語で話してるんだ…。後3日以内にある男が僕の所に来る予定なんだが…」」』

羅《「「誰だ?」」》

『「「名前はイタチ。鬼人が見たダンゾウの記憶の話に出てきた人物だ…」」』

羅《「「妖狐と守鶴に関係があったのか!?」」》

『「「いや、…色んな意味でもっと厄介だ。はすけの兄なんだよ」」』

羅《「「…なぜ、サスケではなくお前に会いに…」」》

以前、イタチと会った時、何があったのかを羅月に話した僕は、だから鬼人を呼ばなければならないのだと言葉を繋げる。

羅《「「今の状況じゃ難しいだろう…。それでどうする?行くのか?」」》

『「「まだ決めていない。その暁とかいう組織を、鬼人に見てきてほしかったんだが…」」』

羅《「「…火影に怪しまれてるとなれば、慎重に行動せねばなるまい…」」》

『「「それだと時間がかかりすぎる!!守鶴と妖狐と約束したんだ…、必ず助けるって…」」』

俯いてしまった僕に、静かに寄り添う羅月。

これといった解決策も思い浮かばず、行き詰まったまま横になった。

また、安眠から離れていきそうだ。
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