忍夢と僕・2
□僕とシリーズ・ナルト視点
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神様、助けて。
また俺を助けてよ。
怖い、こわい、コワイ。
――『…お前にはまだわからない。ずっと妖狐に対する憎しみを背負ってきたお前には、きっとまだ理解できない…。……さよならだ、うずまきナルト!!!!』――
「――っゔわぁぁああああ!!……夢。――っ、柚姫!!…柚姫…?…先にアカデミーに行ったのか?」
頭まで被っていた毛布を蹴り飛ばし、部屋の中を探し回る。
ふと、いつも柚姫が寝ている場所に手をおけば、そこは濡れているかのように冷たかった。
「先に行ったんだ…」
毎回叩き起こされて、顔を洗うように促される。
その間に、テーブルの上にはカップ麺が用意されていて、食べ終わったら歯を磨く。
空っぽの容器をゆすいだらゴミ箱に捨てて、着替えてアカデミーへ。
これが、今までの日常生活のスタートだった。
「…ラーメン、作られてない…」
今日の木の葉の空は灰色だ。
シカマルが唸るだろうな。
瞬身でアカデミーに向かい、歩いて教室へと向かう。
明日は卒業試験だ。
ピリピリしてて、ほんと嫌になる。
「…はよ。サスケ、隣いい?」
佐「…珍しく早いな。昨晩は任務なかったのか?」
「久しぶりに休みだった。…あれ?」
教室をグルッと見回す。
念のため、窓の外も見渡した。
佐「…どうしたんだ?」
「……柚姫はまだ来てないの?」
佐「…は?」
「起きたら隣にいなかったんだ。てっきり、先に行ったとばかり思ってたんだけど…」
いつもそうなんだ。
気がつけば柚姫はいなくなっている。
前なんて、3年間砂の里に滞在していたんだ。
今度はどこに行ったんだろう。
もう一度教室を見渡すが、やっぱり柚姫の姿はない。
片手をあげながらこっちに来るシカマルはいるけど。
鹿「ナルト、どうしたんだ?」
佐「いや…、それが……」
なんで不思議に思わないんだろう。
柚姫がいないのに、どうして何も聞いてこないの?
「シカマル、教室に来るときに柚姫とすれ違わなかった?…あいつ、まだ来てねぇみたいなんだ…」
鹿「柚姫って誰だよ…」
「……え?何言って…」
佐「…このウスラトンカチ。お前が何言ってんだ…。柚姫なんて知らねぇよ…」
「――っ、俺…帰る…」
鹿「おい!!ナルト!!」
意味がわからない。
柚姫を知らないわけがないのに。
立ち上がった俺は、アカデミーを出てカカシを探した。
柚姫に好意を抱いていたあいつなら、絶対に知っている。
カカシが住むアパートの扉を何度も叩き、出てくるまで待った。
任務明けで眠っているかもしれないけど、今すぐ聞かなきゃ気が落ち着かない。
「――っ、カカシ!!起きろ!!」
何度も何度も扉を叩けば、目を擦りながら顔を出すカカシ。