忍夢と僕・2

□僕とシリーズ・ナルト視点
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狐《…柚姫の友でなければ、食い殺しているところだ。…器となりし哀れな子よ、今までの出来事をよく思い返せ。そうすれば、お前が探している答えが見つかるだろう…》

「答え…って…」

狐《そして思い出せ。本当の自分の強さを。お前はそこまで弱い人間ではないだろう…。その両目で、もう一度真実を見極めるがいい…》

「待てっ!!消えるな!!おいっ――っ、くそっ!!」

身体中を走っていた激痛がピタリと止み、汗だけが滴り落ちる。

ふと、足元を見れば、俺が座っている場所は四代目火影の顔岩の上だった。

「なぁ…、俺ん中にいる奴と戦ったあんたなら、何か知ってんだろ?…答えてくれよ、教えてくれよ。俺ってなんなんだ…」

ただの岩が答えてくれるわけがない。

自分が馬鹿みたいな事をしているのもわかっている。

それでも、知りたかった。

九尾が言っている意味を。

例え四代目火影が生きていたとして、聞いても無駄なことだってわかりきっている。

それでも、きっと俺は何かに頼りたかったのかもしれない。

「柚姫…、どこにいんだよ…。あいつは、存在するよな?」

何かに頼りたい、その相手は柚姫であって四代目火影なんかじゃないけど。

「あんたは、里一番の忍だったんだろ?…あいつの居場所を教えてくれ…、頼むからぁ……。お願い…しますっ…教えてください…」

涙が止まらない。

変化を解くのも忘れ、里内をぼんやりと歩きながら思い出すのは、やっぱり柚姫のこと。

ここも、あそこの道も一緒に歩いた。

この店も、あっちの店も一緒に買い物に行った。

はずなんだ。

もう、誰かに柚姫の事を聞くのが怖い。

これ以上、他の奴の口から何も聞きたくない。

「(………諦めるのか?俺は…)」

九尾は柚姫の事を知っていた。

俺と九尾以外、みんな記憶がなくなったのかな。

「――っ、違う!!んなわけあるかっ!!」

俺達は、柚姫に助けられてきたはずだ。

忘れるはずがないし、柚姫だって俺達との時間を大切にしていた。

なら、なんであいつは木の葉を出て行った?

いつから決めていたんだ?

決めたきっかけは?

ふと、立ち止まり、柚姫に言われた言葉を思い返す。

「(ずっと妖狐に対する憎しみを背負ってきたお前には、きっとまだ理解できない…ってどういう意味だ?)」

俺が理解できないから、里を出たのか?

「…――っ!!!!違…う、あいつは九尾…の味方…なんだ…」

ということはだ、九尾の味方である柚姫は、九尾に何かをしたかった?

だけど、それを俺に話したところで、憎しみを背負っている俺にはまだ理解できないってことなのか?

もしそうだったとしても、いきなり木の葉を出た理由とは繋がらない。
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