短編
□太陽
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――『一護!?おい、一護!!』
――『どうした黒崎!?』
目前は真っ黒に染められ、目なんて何の意味もなさない。
手足も動かず、金縛りにあったような感覚になる。
そんな中聞こえるのは仲間の声―。
さっきまであった筈の意識も遠のいていった。
時間はどれだけ経ったのだろう。
ふと気がつくと、橙色の短い髪は何かによって揺れている。
肌に気持ちいい感覚―。
おそらくそれは風で、髪が揺れているのだろうと考えた。
――『―…!!――!!…ろ!!』
声が聞こえる。
でもそれは、俺の知っている仲間の声ではないだろう。
――『…きろって!!』
「起きろ!!」
耳元で聞こえた大声に驚き、咄嗟に瞼を開けて飛び起きた。
「ばっ…!耳元で叫ぶな!!」
「お、やっと起きたか!」
俺の目の前には、おそらく腰ぐらいまであるだろう焦げ茶の髪を上で結って
黄色が主色の、現代では有り得ない格好をした男が、笑顔でこちらを見ていた。
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