金色の姫1

□No.3
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「そのようなまだ言葉も理解できないような赤子を
こんなところに連れてきて、何を考えている」
「そう怒んな、こいつ里長のひ孫だぜ?
お前も久しぶりに会いたかっただろ?」
「こいつが里長のひ孫か、随分と大きくなったな」
「もう6ヶ月だからな。
それにしても、やっぱこいつスゲーや。お前を見ても全く泣かない」
「……確かにすごいな」

【ツクモ】
「!!」

金色鳳凰とダケが話しているのを無言で聞いていると
いきなり頭の中に直接話しかけられた。
私はこれを待っていた、

【久しぶり、金色鳳凰。いやジキ】
【ー!!お前まさかアカリなのか?】
【あはは、よくわかったね】
【そのふざけた名で私を呼ぶのはアカリくらいだ】
【ふざけてないつもりなんだけどな】

久しぶりにこうしてジキと話せて私はとても嬉しかった。
アカリだった頃もよくここに来てはジキと話していた。
恐らく一族の中で一番ジキと話していたのは私だろう。

【そうだジキ、相談したいことがあるんだ】
【聞いてやりたいが、このまま黙っているとダケに怪しまれる。少し待て】
【うん】

「おい、ダケ」
「ん?何だよ。ツクモと話してたのか?
直接話しかけたところでこいつは話せないぜ?
まだ半年じゃ話せるわけがない」
「そんなことは知っている。
ツクモに私のチャクラが流れているか確認していただけだ」
「ふーん、どうだったんだよ」
「あまり流れていなかった。一旦契約を結び直す。
お前は一旦外に出てろ。夕方頃迎えに来い」
「はいはい」

手を振りながら気だるそうにダケが出ていったのを確認してから
私は伝えたかったことを話始めた。

この世界で死んだ後、日本というところに転生したこと。
そしてそこではこの世界の話が書かれている書物があること。
向こうで死にツクモとしてこの世界に戻ってきたこと。
それを全て話し終え一旦休憩する。
すると今まで黙り込み、何かを考えていたジキが言葉を発する。

【今回はお前に頼るしかないのかもしれないな】
【え?】

休憩をしながら次に何を話そうか考えているときに話しかけられたので、
申し訳ないが全く聞いていなかったので聞き返す。

【今回俺が憑依する人物はお前かもしれないなと言ったんだ】
【え、私死にたくないよ】
【それは単なる言い伝えだ】






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