金色の姫1

□No.3
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鳳凰一族にはある言い伝えがあった。

それは金色鳳凰に憑依された者は物凄いチャクラを手に入れることができ、
全ての尾獣を手なづけられるほどの力を得られるが、
10年も満たずに死ぬというものだ。

私たち鳳凰一族は生まれた瞬間から金色鳳凰と契約をし、
金色鳳凰のチャクラを一部共有することができる。

チャクラを共有させる代わりと言ってはなんだが、
金色鳳凰は首元に羽のような痣の出た者に宿り、
世の中を見て、そして宿った人物から命を奪い取り
またこの場所に戻りチャクラを与え続ける存在であると
金色鳳凰は代々鳳凰一族の間で伝えられている。

【単なる言い伝え?嘘ってこと?】
【そうだ。私は命など奪うつもりはない】
【じゃあ、なんでそんな言い伝えに?】
【私が憑依する理由は世界の確認をしたいからだ。
この牢に入れられたままでは、
チャクラを与えているお前たちの見たり聞いたりした情報は入って来るが、
いくら情報が入ってきたからといっても私自身が動けるわけではない。
色々情報が入ってきてよくないと判断したり、
今どのような状態なのか気になった時に
私は鳳凰一族に憑依し、その確認に行く。
だが、私が憑依した人物は皆素晴らしい力を手に入れることができる。
それによって力に支配されてしまったのだ。
そのためこの世にとって害を与える人物だと判断し私が殺しているだけだ】

今まで聞いた言い伝えとは全く違う内容で、
少し混乱しているがこの話が本当だとしたら
私たち鳳凰一族は最低なことをしてきたということになる。

あることないことを次の世代に伝えてきて
ジキに憑依されると死んでしまうという
言い伝えが出来上がってしまったのだ。
ジキにとってはとても悲しいことだろう。

【ジキ、ごめんね】
【何故お前が謝る?】
【私たち鳳凰一族にとってあなたは恐怖の対象よ。
力を与えてくれるのにも関わらず、皆あなたに感謝などしていなかった】
【そうでもない。お前はよく俺のところに来てくれていた。
それにお前の両親もだ。
いつもアカリと話してくれてありがとうと言っていたな】
【お父さんとお母さんが?】
【お前の両親は本当に優しい方々だった】
【……ありがとう】

私がアカリだったころの両親は戦争で亡くなった。
その後を追うようにアカリは死んだのだ。
私は両親をとても尊敬していた。優しく強い両親。
大好きな両親をジキに褒めてもらえて嬉しくなった。

【そういえば】
【どうした?】

先ほどのジキから聞いた本当の話を思い出し、
少し気になったことがあったので聞くことにした。






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