金色の姫1

□No.31
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「……様、月華様!」
「あ、はい」
「宿に着きましたよ」
「いつの間に」

知らないうちに宿に着いていた
私は暗部。

こういうところを直さないと直ぐに殺されてしまうとわかっているのだが
考え込んでしまうと周りが見えなくなってしまう。
これはアカリの頃から変わらず、
何度このことでカカシに注意されたことか。

「では、私はこれで失礼します」
「気をつけて下さい」
「ありがとうございます。我愛羅様を宜しくお願いします」
「はい」

夜叉丸さんを見送った後、私は宿に入り部屋に案内して貰った。
部屋は一人で泊まるには少し大きかったが、折角用意してもらったのだ
遠慮なく使わせてもらおう。

そう思いながら布団に倒れ込みこの任務のことを考える。

我愛羅とは思ったよりも仲良くできそうで安心した
面をしていては表情が分からず怖がらせてしまうと思い面を取ったが、
ここは木ノ葉ではないし特に問題はないわよね。
もし木ノ葉だったら見たことない顔なのに暗部総隊長など可笑しい!
と大騒ぎになってしまう。
少しずつでいいから慣らせていかなければならないだろう

まあ木ノ葉に帰ってからボのことは帰ってから考えよう。
まずは今のことを考えなければ

取り敢えず昼間は我愛羅の世話。
我愛羅を寝かしつけてから暗部の任務になるだろう。

体力が持つかが心配だが、
それ以外は特に問題もなさそうなので、
この任務自体は大丈夫だろう。

そんなことを考えながら、私は暗部服を脱ぎ普段着に着替えた
そして軽く化粧をすればどこからどう見ても今の私は忍に見えないだろう。
まして暗部の月華の面影など全くない。

「早速行こうかな」











































我愛羅の部屋の場所を聞いて、その部屋の扉を叩く

「我愛羅君いる?月華です」
「月華!」
「うわっ」

ドアが開いたと思ったら我愛羅が勢いよく私に抱きついてきた
何だこの可愛い子はと思ってしまったのは仕方ないだろう。
だってまさかこんな嬉しそうに抱き付いてくれるなんて。

「待ってた!」
「ありがとう。中に入っても大丈夫?
「うん!」

我愛羅を抱えたまま、部屋の中に入り、腰を下ろした

「我愛羅君に言いたいことがあるの」
「言いたいこと?」
「さっき夜叉丸さんが任務に出たの。
帰ってくるまでけっこうかかるみたいなんだ」
「…え?」

さっきまでの笑顔はどこにいったのか
我愛羅は今にも泣きそうな表情になった

夜叉丸さんは我愛羅にとって兄のような存在だろうから、
なかなか会えないのはツラいのだろう

「だから、夜叉丸さんが帰ってくるのを私と一緒に待とう!」
「え、月華と一緒?」
「うん。嫌かな?」
「嫌じゃない!嬉しいよ!」
「ありがとう」

こうして月華の長期滞在任務が始まった。





2016/05/05
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