金色の姫1

□No.34
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「ん?」

ぶらぶらと砂隠れの里を見ていると、
ふと店先に並んでいる物が目に入った

「すみません、これ砂時計ですか?」
「はい、そうですよ」
「砂が入っていませんよ?」
「貴女が自由に砂を入れて作るんですよ。
貴女が作った世界でたった一つの砂時計です」
「へー」

別に凄いとか何も感じないけど、
どうしても目が離せない

「一回入れても、自由に砂を入れ替えたり出来るんですか?」
「はい。出し入れは簡単ですよ」
「それ下さい」
「ありがとうございます。砂も箱の中に入れておきますね」
「はい」

店主から砂時計が入った箱を受け取って、
近くのベンチに腰をかけた
砂時計の箱を開けて中身を出して説明書を見る

砂の色は普通のと赤と青と緑が一つ一つ袋に分けて入っている
一袋で5分計れるそうだ

全部混ぜると変な色合いになるだろうし、無難に普通の色にしようかな
なんて思いながら砂の入れ口を開けてから、砂の袋を開ける

そしてジキのチャクラを込めながら中に入れていく
これで少しでも一尾の暴走を抑えられたらなという思いをこめて

でも、本当に大したことは出来ない。
暴走しないようにするのは、最終的には我愛羅次第だ

「よし」

砂を入れ終え、蓋を締めてから箱に入れ直した
他の砂は私が持ってようかな
入れ替えられたら意味がないからね

「よし、行こうかな」
「行くってどこに?」
「…何か用ですか?」

先程から気配を消して隠れていた3人の砂の忍びが私の前に姿を表した

「ちょっと来てくれるかな?聞きたいことがあるんだ」

どうやらこの人たちは私のことを一般人だと思っているようで、
私に対しては全く気を張っていない

いくら私が忍らしくないとしても、
さっきチャクラを砂に込めていたのだ
私を忍だと思ってないから警戒してなかったんだと思うけど、
そこは気付いた方がいいのではないか?

恐らくだが、この2人は中忍。
そして今私に話しかけてかた人は上忍だろう

「ここでは駄目ですか?」
「我愛羅君の話をしたいんだ。
あまり道端で名前を出すのは良くないのは
周りの反応を見て君も実感しているだろう?」
「……わかりました」

仕方なく私はついて行くことにした
後ろについて来る2人の忍はとても嫌な笑みを浮かべている
いくら私でも、この人たちが何を考えているのかは分かる
それでもついていくのは、
この人たちが今行こうとしているのは人気が無いところだからだ
そこなら暴れても問題はないという判断だ

「あの、どこまて行くんですか?」

随分と大通りから離れた所に来た

「じゃあここら辺でいいかな?」

そう言って前を歩いていた人は振り返り、
私の後ろを歩いていた2人は前に来た

「あの、話とは?」
「キミが最近一緒にいるアイツの正体知ってる?」
「アイツとは我愛羅君のことですか?」
「うん、そうだよ」
「我愛羅君は風影様の息子さんとしか…」

私がそう言うと3人が同時に口角を上げた

「アイツは化け物だ。
あんなやつと関わるくらいならオレたちと一緒に遊ぼうぜ?」
「すみません、私は帰ります」
「待てよ」

そろそろ行かないと我愛羅が心配すると思い、
足を進めたが直ぐに腕を掴まれてしまった。






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