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□神の子と義兄妹?? 52
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全国大会が終わった後、病院に戻ったあたしは先生に怒られた
『ごめんなさい』
「全く…。脳震盪を甘くみないで下さい。脳が完全に回復する前に再び衝撃を受けると、セカンド・インパクト・シンドロームというのを発症して脳に障害が残ったり、死亡するケースが少なくないのよ」
『すいません』
「最低一週間以上の安静が必要なんですから、しっかり安静にしておいて下さい」
『はい』
先生はあたしが頷いたのを確認してから病室から出て行った
「“駄目だ。ここで寝てろ”って言っただろ」
『若がトイレ行くのがいけないんじゃん』
若はあたしが病院に戻ってくるまでずっと待っていてくるたようだ
「結果はどうだったんだ?」
『精市が勝って立海の優勝』
「…お前が越前を応援しなかったのは初めてじゃないか?」
『……そうかもね』
自分でも不思議だ
リョーマをいつもなら必ず応援する
いくら家族だからって精市だけを応援するなんてありえない事だ
「それだけ幸村さんが大事なのか?」
『そりゃ家族だし』
「本当にそれだけか?」
『若…?』
何で悲しそうな表情をするのかあたしには全くわからなかった
“コンコン”
『どーぞ』
「…かおり」
『裕太!?』
ドアを開け入ってきたのは全く予想外の裕太だった
「コイツが救急車をよんだんだよ」
若は目線だけ裕太に向け言った
『裕太が?ありがとう』
「大丈夫か?」
『うん。脳震盪だけど、他に異常はないから安静にしてれば大丈夫だって』
「そっか」
裕太は安心したように笑ってから直ぐに真剣な表情に戻った