金色の姫1

□No.11
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「ツクモ、ツクモ!」
「どうしたの?」

イタチがアカデミーに通いっているため、
私はサスケと一緒にいる時間が増えていた。
物心ついたころから一緒にいるからか、
サスケはことあるごとに
ツクモツクモとそばに寄ってきてくれてとても可愛らしい。

「サスケ、ツクモちょっと来て!」
「母さんだ!行こっ!」
「うん」

ミコトさんに名前を呼ばれて居間へと行くと、
お弁当箱を持っているミコトさんがいた。
これからピクニックにでも行くのかと思ったが、
一人ぶんのお弁当で行くのは可笑しい。
それにあのお弁当箱はイタチのだ。
まさかイタチのやつ持っていくのを忘れたのか?

「これイタチに届けてくれる?
今日寝坊しちゃってイタチが出るまでに用意できなかったの」
「わかった!」
「ミコトさんは?」
「この後予定があるの。二人で行けるかな?」
「行けるよ!」
「うん」

まさかこんな小さな
の子どもを二人で外に出すのかと驚くが、
この世界では別に可笑しいことではなかった。
元いた世界が過保護すぎたのだ。
それにアカデミーに向かう道のりは人通りも多いので、特に問題ないだろう。
この時期から自分で行動できるように
しておく必要もあるのだろうし、ここは頷いた。

サスケがお弁当を持ち、ミコトさんに見送られながら家を出た。
うちはの集落を出るまでにいろんな人に話しかけられ、
意気揚々とイタチにお弁当を届けに行くことを
みんなにサスケは伝えるので、
集落を出るまでに予定より時間がかかってしまった。

初めてのお使いというものはこういうことはつきものだろう。
私はなるべくサスケに付いて行くような形でアカデミーへと向かう。
私が先頭をきってしまったら意味はない。
今日はサスケのためのおつかいだ。

「初めて二人で外に出たね!」
「そうだね、あっツクモ!手裏剣売ってるよ!」
「本当だ、かっこいいね!」

店に置いてあるものに目が留まりたびたびサスケは足を止める。
この調子でいくとお昼の時間に間に合わないぞサスケくんよ。
そして何でそっちに行く!アカデミーはそこを左だ―!!

心の中でそう思ってもここで口を出すわけにはいかないと、
何も言わずにサスケに付いて行く。
そしてやっとサスケの足が止まった。

「ここ、どこ?」
「道わからなかったら、
木ノ葉の忍に聞けばいいって、ミコトさん言ってたよ!」
「道わかるよ!」
「そっか!」

今、ここどこって言ってたでしょ?
とは言わずに笑顔で差し支えない言葉を言うとサスケは俯いた。
さあ、ここからどうするか?
適当に歩いてアカデミーを目指すか、
プライドを捨てて道を聞くか。
あまりうろうろしてると
影に隠れて見張っているミコトさんが心配ででてきちゃうぞ






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