金色の姫1

□No.19
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「ツクモ」
「なに?」

首をクナイで切斬られた次の日。
私の首の傷はすっかり消えており、
昨日のことなどなかったかのような状態だった。
そんな私は朝食を食べ終えた後、フガクさんに呼ばれた。

「昨日のことを聞きたい」
「あなた、なにも昨日の今日で聞かなくても!
ツクモはとても怖い思いを…!」
「分かっている。だが、忘れられてしまっても困る。
それにツクモは嫌なことは嫌だとしっかり主張できる子だ」

ずいぶんとフガクさんの中では私の評価が高いようで、とても嬉しい。
いつの間にそんな高評価になったのだろうか。

「ツクモ、嫌なら嫌だと言っていいのよ」
「大丈夫だよー!何が聞きたいの?」
「昨日の男とは知り合いか?」
「ううん、知らない」

鋭い目で見てくるフガクさんの目をしっかりと見ながらも少し抜けたように話す。
少しでもミコトさんの不安を取り除くためだ。

私は大丈夫ですよ、ミコトさん

「本当に知らないんだな」
「うん。でもあの男の人
イタチ兄ちゃんに謝って欲しかったんだって」

十中八九昨日のことはイタチからすべて聞いており、
私がこんなことを言う必要はないが、
私がどこまで理解できているかをフガクさんに伝えた方がいいと思い
わかることはすべて話すことにした。

「何で謝って欲しいのか分かるか?」
「んー?わからない」
「そうか」
「うん!」

一息つくためか、お茶を口にするフガクさんを見て私も少し気が抜ける。
この人は子供相手だろうが、それが自分が預かっている子であろうが容赦ない。
下手な返答をして、目をつけられないようにしないと。

「昨日買い物が終わった後何をしていた?」
「えっとダケとはなして、その後捕まった」
「ダケと?」
「うん。なんかね難しくてよく分からなかったんだけど、
気を付けてって言われた」
「気を付ける?」
「あとね、ダンゾウ?が私の一族と何かって」
「……」
「フガクさん?」

先程とは比べ物にならないくらい厳しい表情になったフガクさんは
少しの間眉間にシワを寄せたまま、何かを考えていた。
そして立ち上がり上から忍服を着た

「火影様のところへ行ってくる 」
「今から?」
「ああ、ツクモも行くぞ」
「うん!」

差し出されたフガクさんの手を掴み共に火影邸を目指した。






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