金色の姫1

□No.31
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「砂隠れですか」
「そうじゃ」

私は月華として火影様の前に立ち、任務を言い渡されている

「お主なら知っていると思うが、砂隠れには人柱力がおる」
「一尾ですね」
「そうじゃ。その人柱力の世話係の者が長期任務に出ることになってしまってのぅ。
その間、お主に面倒を見て欲しいそうじゃ」
「何故他里の忍である私に?」

普通ならば、自里の忍にやらせるはずだ.
それをわざわざ他里の忍に頼むなんて。

それに私を指定してきたということを怪しく思ってしまう。
木ノ葉から私がいなくなるというのは相当な戦力ダウンに繋がる。
私を呼び寄せておいて木ノ葉に何かするつもりではないのかと

「……皆その子を怖がっているそうじゃ。
力を制御出来ていないらしく、大怪我した者も少なくない。
月華という名は砂隠れにも伝わっている。
じゃからお前さんが推薦されたというわけじゃ。」
「怖いって……はぁ」

呆れた理由に、自然とため息が出た。
確かに力が制御出来ないのなら怖いのは分かる。
でもそんな状況になっているのは、
里の人たちの接する態度にあるんじゃないのか?
まあ私の憶測だから勝手に批判は出来ないが

「じゃあ、行ってきます」
「気をつけるんじゃよ」
「はい」












































木ノ葉の里を出て少し急ぎ目で向かい砂隠れの里へ到着した。
迎えがいるそうなので辺りをキョロキョロしながらゆっくりと門に近づく

「すみません」
「はい」

門には、門番以外に人がおり。
その人物のことを私は一方的に知っていた。
その人は人の良い笑顔を浮かべて話しかけてきた

「月華様でいらっしゃいますか?」
「はい。失礼ですがあなたは?」
「私は夜叉丸と申します。
風影様に月華様の案内を頼まれました」
「そうですか。じゃあ、お願いします」

やっぱり夜叉丸か。そう思いながら彼に付いて行く。
確か我愛羅の世話役で、我愛羅の母親の弟だ

「わざわざ木ノ葉から来て下さってありがとうございます」
「いえ。あの、我愛羅君の世話係の方が
任務で帰って来るまでが私の任務期間だとお聞きしたのですが、
どれくらいかかるのですか?」
「すみません。そのようなことは風影様に」
「わかりました」
「夜叉丸!」
「我愛羅様」

夜叉丸さんと話していると
いきなり小さな子供が夜叉丸さんに抱きついた。

夜叉丸さんが我愛羅様と呼んだので
この子が今回私がお世話をする一尾の人柱力なのだろう。
ナルトのおかげでこの子は変わった。
だけど、この世界ではどうなる?
この世界は私のせいで随分と変わってしまった
我愛羅にとって悪いことが起きないでほしいと願うことしか私にはできない

「我愛羅様、どうしてここに?」
「夜叉丸が見えたから来たんだ!」
「駄目ですよ。勝手に部屋から出ては。
それに私は今この方の案内をしているのです。離れて下さい」
「…ごめんなさい」

ゆっくりと我愛羅は夜叉丸さんから離れた
こう見ると大人に甘えたがっているただの可愛らしい子供だ。
まったく怖いとは思えないのに
どうしてどの里も人柱力に対する扱いが酷いんだ。






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