猫の短い物語
□また、
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今、思えば…俺は後悔ばかりだった………
あの時に決めた事なのに………罪を償うと……
でも、お前に会えていつの間にか俺は変わっていった。
前までは、邪魔だと思っていた、心…という物を………持った。
そして、俺はお前の傍に居たいと願った。
「おい!…死ぬな!!」
俺に覆いかぶさり、必死に言っている。
あぁ、泣いている………お前には、笑顔が似合うのに……
「泣くな…」
俺は、泣いているお前に手を伸ばそうとしたが…
この手はもう、薄汚い数多の血に染まっている……
だから、綺麗な…血で汚れていないお前に触れる事は赦されない……………
「お願いだ…死ぬなよ!」
駄目…だよ…もう、眠たくなってきやがった……もうお前の……顔が…ぼやけて……見えない。
「なあ、約束……約束してくれるか?」
こんな事を言わなくても、お前は……絶対守ってくれる…
「俺の分…まで……生きろ………」
笑えているか?……最後まで………俺は………笑ってるか?
「………っつ!…分かった……」
涙が目から零れた。生きてたい……まだ、いろんな景色を…見ていたい………お前が救った…………この世界を………
「ありが…とう…な……だい…すき…だ…」
最初で最後に本音を言って…返事を聞けないまま……
俺は永遠の眠りについた。
お前が「愛している」て、言ったなんて…
目を開けると、目の前には寝息を立てているお前が居た……
正確には、俺はお前の腕の中にいる……犬になっていた……しかも、雄の子犬……
子犬の毛は、青色で腹の部分が白…そして、左目が見えない…
…………は?
ちょっと待て!何自己解説しているんだ!?とにかく、話さねえと………!
「うっ………ラピード?」
どうやら、起こしてしまったようだ…
『…悪い、起こしたか?』
これが、お前と俺の再会
逆行しているけどな!
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