猫の短い物語
□また、
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「………」
『………』
黒と緑が交差して、沈黙が続いている。
しかし、黒…ユーリが先に耐えられなくなったのか、ベットに倒れ込んだ。
『……で、信じてもらえたか?』
緑…ラピードがユーリの隣に座って聞いた。
「信じるも、何も……」
『まあ、そうだろうな……いきなり、犬がしゃべって…実は元人間でした、なんて信じる人間いないよな。』
ラピードが窓の外を見ながら言った。
「元が人間だろうとラピードはラピードだ。」
ユーリがラピードを撫でながら言った。
『そうか……ありがとうな、ユーリ…やっぱりお前は俺の相棒だ。』
ラピードはユーリの言葉に一瞬固まった。
『ユーリ、俺が喋れる事……誰にも言うなよ。』
ユーリはラピードの言葉に眉間にシワを寄せた。
「どうしてだ?」
『俺が普通の人間の様に、喋っていたら不審に思われるだろう。それと、俺は多分定期的に…ムゴッ』
ユーリがラピードの口を両手で塞いだ。
ラピードは口を塞いだユーリの両手を疑問の目で睨みつけた。
「さっきも言ったよな…ラピードはラピードだ……だから、隠す必要は無いんじゃないか。」
ユーリはいつも通りの笑顔で言った。
『そうだよな……じゃあ、お前が信用出来ると判断した人には、この事をばらすからな……』
「分かった。」
そして暫くの間、ユーリとラピードには沈黙が流れていたが下から女将さんが呼んで来た。
ユーリとラピードは部屋を出た。
ユーリ、お前順応…早いな………
そうか?
無意識か……
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