猫の短い物語
□始めから
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キィィィィン
ユーリと左側に大きな刀傷を負った、黒髪を襟足だけ伸ばした17、18位の青年が森の中にある開けている場所で、剣を交えている。
「……ラピード…てめぇ、強いな…」
ユーリはニバンボシを地面に突き立てて身体を支えながら、額から流れる汗を乱暴に拭った。
「ラピード…ではない。この姿では、ライールだ。」
ライールはユーリとは対称に呼吸を乱さず、短剣を構えていたが空を見上げて、一番星である凛々の明星を見つけ、構えていた短剣を右太股にあるホルダーに仕舞った。
「ユーリ、時間だ……帰るぞ。」
「…あぁ」
ユーリはライールの言葉に同意すると下町の方に歩きだした。
「そういや、ライールはどうして人間になれるんだ?あと、ライールって一体何歳なんだ?」
「………大気中のエアルを体内に集め、そのエアルを使っている。歳は21位だ。」
ライールは無表情で答えた。
「……オレの目には18位に見えるんだか…」
「当たり前だ。今のお前の実力に比例する様に調整しているからな。」
「調整?」
「また今度、教えてやるからな……それより、ユーリ…腹、減った。」
ライールは眉を下げて言った。
今日は……シチューにするか
…!!(キラキラ)
眼、輝いてるぞ。ライール…
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