猫の短い物語
□始めから
3ページ/5ページ
ユーリ目線
『………(ドスッ、ドスッ)』
只今、オレのベットで枕を無言で殴っているのは人間verのラピード…否、ライール……何故、枕を殴っているのかと云うと、一時間前に遡る。
「後は……林檎だけか…」
市場にユーリと野菜類が入っている買物袋を銜えているラピードが、果物類が売っている場所まで行った。
「おっさん、林檎一つ!」
「あいよ。」
ユーリは林檎一つ分の代金を払って、林檎をラピードが銜えている買物袋に入れようとした……が、ユーリとラピードの間に黒い影が通った。
『「…なっ!」』
すぐに、ユーリとラピードが黒い影を探したが、人混みが多すぎて見つから無かった。
もう一つ買うにもお金が、さっきの林檎で使い果たしたので買えない。
結局、林檎は買えなかった。
………後で、分かった事だが林檎を盗んだのは、帝都のボス…プチウルフだそうだ。
『…出掛ける。』
いきなり、ライールがベッドから降りて窓枠に右足を掛けた。
「ライール、何処行くんだ?」
『………チョットな…やり過ぎの奴に、お灸を………な?(黒笑)』
俺、帝都のボス犬になったぞ!ユーリ!!
は?お前…中、人間じゃあ……
ラピードが帝都のボス犬になった。だから……ライールは関係無い。
.