猫の短い物語

□私と男の子と白い灰の五日間
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一日目

私は山に囲まれた小さな村で冬の寒空の下に生まれた。

母親は私が産んですぐに死んだ…父親は村人全員知らなかった……村人は母親を知っていたが、教えてくれなかった。

つまり私は父親と母親の名も顔をも知らない。

そして、私の本当の名前すら誰も知らない

だから私も、自身の事が時々分からなくなる。

夜になると森の中にある私の住居である小屋で寝る。

10歳になった頃に、母親の親戚であった家から追い出された……親戚からは「金は出すからもう家に近づくな」と言われた。

だから、隣村の大工に頼んで小屋を建ててもらった。

それから十数年の時がたったらしいが……私には日付感覚が無い。

その日は白い灰のような物が空から降ってきた。私はそれが天国にいる母が降らせたんだと思った。夢中になってその場で踊った。

だけど私は気づくべきだった、その白い灰が村には降らず、森だけに降ったことを………それが、悲劇の始まりだということを
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