石榴の如、片想い

□五話
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「……ふふっ。」



「どうしたんですか。ひとりで笑って。」




リビングで、小南と二人くつろいでいた。
特にこれといった話はしていないのに、小南がいきなり小さく笑ったので私は不思議に思った。




「まさかあんた達が本当に恋人にねー…。ああ、ふふ、まさかというよりやっぱりかしら。」




まだ言っている。

小南は大人の女だと思っていたけれど、いや、大人の女というのはたぶん本当なのだが、私達をからかって面白がったりする。




「…。」



「ねぇ、どこまで行った?」



「どこまでって……。」



「キスとかセックスとか。」



「…セッ…。どっちも、まだですけど…。」




あまりにも淡々と恥ずかしいことを口にする小南に呆れてしまった。
はあ、とため息を吐く私を見て、小南は得意気に話しはじめる。




「まだまだ子供ね、ザクロ。」



「子供って…、そういうことを簡単に口にするのが大人なんですか?…違いますよね。」




子供扱いされて、少しむっとしてしまった。

怒りもあったけれど、やはり私は小南に甘えているところがあるのかもしれない。だから生意気なことを言ったりできる。




「悪かったわよ。」




小南は肩をすくめ、それでも私を小さな子供を見るように見つめる。




「……………。」
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