図書館戦争
□休日 前編
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「やぁったー」
郁の大声が事務室いっぱいに広がった。
何故かというと最近、堂上と同じ日に休みを
もらっていなかったけれど久しぶりに
同じ日に休みをもらったからだ。
「笠原さん、もう少し音量下げてね」
郁は小牧にやんわり注意されて
肩を落としていた。
堂上はそんな郁を見てクスクス笑っていた。
仕事が終わり、郁は家へ帰った。
「堂上教官もう帰ってたんですね」
「郁、名前」
「っあ、篤さんもう帰ってたんですね」
郁はテレビを見ていた堂上の隣に座った。
「郁、お前何であんなでかい声出したんだよ」
「嬉しかったからですよ/// 篤さんは嬉しく
なかったんですか?」
「そんな訳ないだろ、嬉しかった」
郁はどんどん顔が真っ赤になっていくのが
分かった。
「明日何処か行くか?」
「いえ、私は家でゆっくりしたいです」
「珍しいな。何かあったか?」
「久しぶりの休みだから、篤さんと二人っきり
でいたいんです。嫌ですか?」
堂上は何故かそっぽを向いたままぼっそっと
「嫌じゃない」と言った。
それは赤くなった顔を隠すためだとは郁には
分からなかった。