My Dream
□第二章
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その後、俺と麻里ちゃんは、劇場を出て、近くの店で昼食をとっていた。
「しかし、よかったね。仕事見つかって」
『いや、麻里ちゃんのおかげだよ。ほんと何から何までありがとう』
「いいのいいの。それに、頑張るのはこれからなんだから、しっかりしなさいよ」
『ああ、わかってるよ』
言いながら俺は、食べ物を口に運ぶ。
『しかし、アイドルのスタッフか。ちょっと前までそんな仕事に就くなんて思ってもいなかったな』
「あ、そうそう、メンバーと接する機会が増えるけど、好きになるなよ」
『ふん、誰がアイドルなんかに惚れるかよ』
「わかんないよ〜、雄作の事だから、実際目にしたら案外簡単にコロッといっちゃうかもよ」
『ないない』
そんな事を話しながら、時間が過ぎていった。
「あ、そろそろ時間かな?」
麻里ちゃんが、ふと腕時計を見て言った。
「じゃあ篠田、そろそろ仕事行くから、一人で帰ってね」
麻里ちゃんはそう言うと、俺に鍵を渡して、席を立ち、店を出た。
さて、俺もそろそろ帰るか。
あ、アイツにもちゃんとこの事報告しないと。俺の事、誰よりも心配してたからな。
俺はケータイを片手に、店を出た。
* * *
俺は少し寄り道をしてから、家に帰った。
ガチャ、
俺がドアを開けると、麻里ちゃんの飼ってるワンコが出迎えてくれた。
『よしよし、留守番ありがとな』
そのワンコの頭をなで、リビングへと向かう。
そして、真っ先にソファーにねっころがり、テレビをつけた。
そこには、麻里ちゃんと、さっき見た指原さんが写っていた。
本当にアイドルって大変なんだな…。俺は今度から、この人達を支えるのか。
よし!そうと決まれば、俺も頑張るしかないな!!
そう決めた俺は、ソファーを立ち、AKBの本を手に取った。