My Dream
□第四章
1ページ/5ページ
さて、その後、一晩泊まった小嶋さんと大島さん(ちゃんと別々の所で寝ました)は、朝早く起きて、麻里ちゃんと仕事に行った。
そして、俺も仕事の為、劇場へと向かった。
* * *
戸賀崎さんから、各部屋の掃除を頼まれたので、モップを片手にせっせと掃除をしていた。
『えーと、次はここか』
ガチャ、
「あ、杉原」
そこには、ジャージ姿の佐藤がいた。
『おお、佐藤。今日は自主練か?』
「うん、そうなんだ。あれ?もしかして掃除しに来たの?」
『ああ、でもいいよ、踊ってて、別の所掃除してるから』
「あ、いいよいいよ、私もこれから休もうと思ってた所だから」
『そうか、じゃあ掃除させてもらうわ』
俺はモップで部屋の床を掃除する。
「しかし大変だねー、毎日ここ来て仕事してるんでしょ?」
『なあに、こんなのお前らの大変さにくらべたらなんでもないよ』
「そうかなぁ…」
『これぐらいやんないと、拾ってもらった身だしね』
「ふふ、じゃあ、私も手伝うよ」
そう言って佐藤は、俺が腰にかけていたタオル取ってそれを絞り、鏡を拭き始めた。
『や、そんな、いいよ。休んでろよ』
「なんかアンタの姿見てると手伝いたくなっちゃったの。だから私にやらせて」
『ああ、わかった。……悪いな』
「いいのいいの」
そう話していると、ふと部屋のドアが開いた。
「おお、二人共、もう仲良くなっちゃったの?」
入って来た主は、北原さんだった。
『あ、北原さん、こんにちは』
「やあ、雄作くん、お疲れ。しかし、すーちゃんともう仲良くなってるとは…」
『いや、佐藤とは小学校の頃に同じクラスだったんですよ』
「あ、そーなんだ。だからそんなに仲良いんだ」
『まあ、そーいう事です』
「ふーん、じゃあ私も手伝おっかな?」
そう言って、俺のタオルを取る。
『あ、すいません、ありがとうございます』
「いいのいいの。その代わり、これから私とも仲良くしてね」
『はい、是非!』
俺はそう返事をしてから再びモップ掛けに取り掛かった。