My Dream
□第七章
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さて、一足早く現場に来た俺達は、会場づくりやら会議やらを2日半かけてしていた。
「じゃ、今日はこれぐらいだから、ゆっくり休んでな」
『はい、お疲れ様です』
スタッフさんに軽く会釈をし、俺は部屋のドアを開けた。
ガチャ、
『ふぅ〜』
部屋に入って、そのままベッドにダイブする俺。
そして、脇のテーブルに置いてあったケータイに手をのばす。
…メシまで時間あるし、少し寝るか。
* * *
「だぁ〜、やっと着いたぁ〜」
ホテルに到着一番、優子が思いっきり伸びをしながら言った。
「優子、アンタうっさいよ」
「なんだとー麻里子。大島さんはなー、この長い移動でめちゃめちゃ疲れたんだよー」
「よく言うよ、新幹線でずっと寝てたくせに」
「うるさい!寝るのだって体力使うんだよ」
「へいへい、そうですか」
そう生返事をしながら、篠田はキャリーバッグを転がす。
「あーあ、しかし良いよなー麻里子は。部屋に入ったら雄作がいるんだもんなぁ」
「じゃあ優子代わる?」
「ホントに!?」
「ウソだよ」
「うえ〜ん、こじぱー、麻里子がいじめる〜」
「ちょっと優子、離れてよ。暑い」
「そんなぁ〜、こじぱまで…」
そんなやり取りをしながら、やってきたエレベーターに乗った。
ガチャ、
ドアを開けると同時に「雄作ー、いるー?」と言ったが、返事がなかったのでそのまま入っていった。
「なるほどね…」
入ってみると、ベッドで雄作が爆睡していた。
篠田が荷物をおろし、動きやすい服装に着替えていると…。
「雄作ーーー!!」
優子が来た。
「いや、アンタもう着替えたの!?」
「だって雄作に早く会いたかったんだもん!」
「はぁ〜、まったく…」
それを聞いて嘆息する篠田。
「で、雄作はどこ?」
「そこ」
そう言って、篠田はベッドをさす。
「おっ…」
寝ている雄作を見るや否やニヤリとする優子。
「起こしてもいいかな?」
優子は雄作に近づいてそう聞いた。
「篠田は止めないけど、後で怒られても知らないよ。コイツ寝るの邪魔されるの大っ嫌いだから」
「そうかぁ〜…」
優子は少し考えた後、ひらめいたように声を出した。
「よし!いいこと考えたぞ!」
言うと優子は、一目散に篠田の部屋から出ていった。