Main【デュラララ】

□君が1番なんだよ。
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「…後悔なんて、しないよね?」

「え…―っ……」

ちくり。注射の痛みと共に、俺は地面に倒れ込んだ。
…フローリングの冷たさを頬で感じた。

―――

「…った…」

頭の中がガンガンと鳴り響いている。
先程腕に刺された注射の効果か、ベッドから起き上がると微かな頭痛に襲われた。

「……」

ここはどこだろう。
キョロキョロと辺りを見回せば、見慣れた風景が広がっていった。
…新羅のマンション。
さっきまで散らかっていた治療器具は綺麗に片付けられ、テーブルの上には何も無い状態だ。

「目が覚めたかい?臨也」
「…ッ!」

背後で、新羅の声が耳に響く。
咄嗟に振り向いて精一杯睨んでやる。
だが、新羅はこれっぽっちも怖くないといったような表情で笑った。
それが余計に頭にきて、ベッドから立ち上がる。
新羅につかみ掛かってやろうと思い、腕を伸ばす。
…だが、伸ばした手の平は新羅の白衣の襟部分ではなく、空気を掠めた。
目の前が歪んで見える。
脚もふらついてきた。
世界が反転し、俺はベッドに逆戻りした。

「…どういうつもり…?」

徐々に息は上がって行き、顔が熱くなる。…先程注射された物は、媚薬の類か。
しくじった。
俺とした事が、迂闊だった。

「どういうつもりか、なんて聞かなくても分かるだろう?…僕も、臨也がそこまで鈍感だとは思ってないし」
「……意味がわからないんだけど。何で俺がこんな事されなくちゃいけないのさ?」
「僕達が臨也を愛しているからさ」
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