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□0401
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「じゃあ、お母さんは出掛けて来るけど、ツナ、リボーン君、お留守番宜しくね!」
「はーい。行ってらっしゃい」

 母さんに返事を返して、ドアの閉まる音を聞きながら歯ブラシを口に突っ込んだ時、リボーンが何かに気付いて脱衣場に入って来た。鏡越しにその姿を追うと、カレンダーの前で停まった。そして、一番上の一枚を剥がした。…そっか…もう月が変わったんだ…。暫くカレンダーの前で佇んでいたリボーンは、突然変な事を言った。

「…明日、俺はイタリアに帰ろうかと思っている」
「…んん゙!!?」

 唐突過ぎる宣言に、俺は驚いて勢い良く振り返った。リボーンはカレンダーの方を向いたままで、此方からは表情を窺う事は出来無い。

「な、何で…?」
「お前には、もう俺は要らないだろうと思ってな」
「な…そ、そんな……」

 そんな事無い。そう言おうとした。なのに、喉の奥で言葉が引っ掛かって、声が出て来なかった。
 要らないなんて、そんな事無い。俺は、リボーンが居なきゃ、ダメなんだ…。リボーンが必要なんだ…。それに、つい数ヶ月前に自分の気持ちを自覚して、伝えて、受け入れてもらえて、喜んで…。そんな事が有ったばっかなのに…。思わず、鼻の奥がツンッとした。

「……ックク…。嘘だぞ」
「…え…?」

 リボーンは、くつくつと笑いながら振り返り、此方に近付いて来た。

「んな情けねぇ顔すんな」

 そう言って前髪を掻き分けて、額に口付けた。そして、「…悪かったな」と言って頭を撫でたリボーンは、ひらひらと手を振って、脱衣場から出て行った。

「…?」

 な、何で…?どういう事?どうして、そんな嘘を?
 俺は、さっさと歯磨きを終わらせて問い質してやろうと思い、止まっていた手を動かした。洗面台の方を向こうと振り返る途中で、リボーンがずっと見ていたカレンダーが視界に入った。何とは無しに眼を向ける。…そっか…もう四月…。もうすぐで入学式か………って、あれ?四月の一日って、何か無かった?学校とかは関係無しに、小さなイベント?が有った筈……

「………!」

 …あれ…何て言ったっけ?…その…悪意の無い嘘を吐いて良い日…何とかフール……

「そう!エイプリルフールだ…!」

 ポンッと手を叩いた。それで嘘か…。だけど、もう少しで冗談じゃ済まなく為ったぞ?…まあ…でも、良いっか。嘘を吐いた謝罪に、おでこに…貰っちゃったし。そう思いながら、先程リボーンがキスしてくれた額に触れると、自然と顔がにやけてしまった。…後で反撃してやろう。

 歯磨きと洗顔を終えて部屋に戻ってみると、リボーンがベッドに座って拳銃の手入れをしていた。俺が部屋に入るとチラリと此方を見るから、俺はフイッと顔を逸らしてやった。…反撃反撃。

「…リボーンなんて嫌い」

 リボーンの出して来た宿題が並べられたテーブルの前に座って、そう言った。…嘘…解るよな?問題集を開きながらチラリと盗み見ると、リボーンと眼が合ってしまった。俺は、慌てて眼を逸らした。くつくつと笑う声が聞こえる…。うわぁ…あからさまな事しちゃった…

「そうか」

 組み立てた拳銃をベッドに置いて、立ち上がったリボーンは、そのまま此方に歩いて来た。次が読めない行動に、俺は戸惑った。そして、そんな俺の後ろに回って、包み込む様に抱き締めた。心拍数が跳ね上がる。

「…俺は、大嫌いだぞ」
「…ー…っ!……っい…意味解んねぇし…!!」

 耳元で囁かれ、俺の頭はパニック状態に為った。だから、これが最大限の抵抗だった。本当、意味解んねぇよ!大嫌い≠逆の言葉にして捉えれば良い事位は解るけど、客観的に見たら、言葉と行動が全く一致していなくて、凄く可笑しなシーンだ。
 くつくつと耳元で笑い声を立てたリボーンは、何を思ってか、胡座を掻いている所為で無防備に為っていた内太股を撫でて来た。ゾワワ…と粟立つ背中。加えて耳朶を甘噛みされ、思わず変な声が出た。

「…んぁっ!」

 リボーンは、楽しそうに笑う。

「初めに、保健体育でもするか?」
「…んなっ!?」

 何、馬鹿な事言ってんだよ!と言おうとした口は、リボーンを振り返ったそのままの体勢で塞がれた。昼間っから盛んなよ、似非教師!!頭の中でそう罵るも、口内に入って来た舌から逃げるという細やかな抵抗しか出来ず、結局はその抵抗も無駄に終わる。こいつ…変に巧いんだよな…。リボーンがやっと解放してくれた頃には、身体は熱いし、頭はぽやぽやするしで、もう、リボーンの思うが儘だった。奴は、そんな俺を見てくつくつと笑った。

「みっちり教えてやるぞ」
「…っ…」

 抱え上げられた体勢は、横抱き。所詮、お姫様抱っこだ。しかし、もう抵抗するとかしないとか、考えられなかった。
 ベッドに落とされ、リボーンが俺の身体を跨ぐ。いっつも、この瞬間にドキッとするんだよな…と、何時迄も慣れない己の心臓を頭の片隅で嘲笑していると、スーツを脱いだリボーンが、俺の頭の横に手を着いた。

「今日は特別サービスだ。沢山苛めてやるぞ」
「なっ!?そ、それは、嫌だ!」

 ネクタイを外しながらそんな事を言うものだから、俺は顔を紅くしてしまった。リボーンは、くつくつ笑って、嘘だ、と言った。

「っ!…う、嘘か本当か判り難い嘘、吐くなよ!」
「ククッ…良いじゃねぇか、エイプリルフール位」
「っ…」

 楽しそうな笑顔を浮かべたまま顔を近付けて言われ、俺は言葉を詰まらせた。絶対に、こうされると俺が反論出来なく為るって知っててやってる!

「…っひ、卑怯だ…!」

 緊張で変に高く為ってしまった声を、またリボーンに笑われた。




















0401は
嘘の日!


(二日に為ったら、)
(今度は本当の言葉で…)








にゅにゅにゅ…!!はれんちにゃ!!
…っと、すみません。作者のキャラが崩壊してしまいました。

つー君可愛いつー君可愛いつー君可愛いつー君可愛いつー君可愛いつー((強制終了
つー君が可愛過ぎて、やばひであり升!!リボーンの反応は、ほぼそのまま僕の反応です。なので、ポーカーフェイスなリボーンが変に笑顔の絶えない人に為ってしまいました…f(^_^;
もう…可愛過ぎるつー君にデレデレです。(主に僕が)
リボーンに若干変態チックな事をさせてしまった事に後悔はしていますが、反省はしていません♪←

そうそう。
「頭はぽやぽやするし」ってこれ、ぼやぼやの間違いではありませんからね?
思考がぼやけているというよりは、ふわふわと定まらない感じを表現したかったのです。
紛らわしくてすみません_(._.)_

マイナー街道まっしぐらなリボツナ。楽しんで頂けましたなら、幸いです。
では。Arrivederci.





2013.07.01
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