ルーズリーフ

□桜
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桜の咲く季節になると、僕は毎日必ず訪れる場所がある。


それは、誰にも触れられることのない、一本の桜の木がある場所。


誰も来るばずのないこの場所で、僕は彼女と出会った。


ピンクのワンピースを着て、彼女はいつも悲しげに桜を見つめていた。


一緒にいたのは、ほんの数週間だけだったけれど、5年経ったいまでも、一瞬たりとも、彼女のことを忘れたことはない。


彼女は今、どうしているのだろうか。


できることなら、もう一度彼女に会いたい。
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