友達(仮題)
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「起立、礼!」
「よっしゃー、昼飯だー」
「腹へったー!!」
今、4時限目が終わり、昼休みが始まった。
教室で気の合う者同士で昼食を食べ始める人、売店に行く人、それぞれの人がいて、静かな教室から騒がしい教室へと変わる。
「姫ちゃーん!」
"姫ちゃん"と呼ばれたのは、おれの隣の席の"望月姫香"。
クウォーターの望月は、髪が金髪できれいな顔立ちをしている。
そんなに身長は高くないが、スタイルが良く、そのルックスから男子からすごくモテる。
話しやすい性格の為、女子からも人気だ。
「お弁当食べよ」
その望月を誘いに来たのは"浅崎零華"。
望月の一番の友達と言っていいだろう。そしてこいつはおれと生まれた頃からの幼馴染み。
零華は同い年の人よりも、少し大人びた顔をしている。
「れーい!屋上で食べよーゼ!」
「行くならはやく行くぞ」
テンション高めにおれ、城ヶ崎零を呼びに来たのは、安藤彰。その後に来たのは、相澤森。2人はおれの親友。
彰とは小学1年の時からクラスが同じで、ずっと仲が良い。
少し童顔気味でうるさすぎるほど元気が良い。
森は、小学3年のときに引っ越して来て、仲良くなった。
無口で同い年とは思えないくらいの落ち着いた雰囲気を持っている。
「おっ、いーじゃん?………行きますか」
弁当を持って立ち上がると、望月が羨ましそうに言った。
「屋上かぁ………」
「望月も行きたいの?来る?」
「いーの?」
おれが、うんと頷くと、望月はにっこり笑った。
その笑顔が可愛くて、少しみとれてしまった。
「……………」
「やった!行こう零華」
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