小説

□【続編2】満月の夜
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「いや?本気やで」

「…ッッ/////!!!」

空は怪しい笑みを浮かべて蝶左の顔に掌を伸ばして来た。

「蝶左…」

空の指が蝶左の顔に触れ、輪郭を
なぞる。

蝶左の体が小さく震える。

空の指が蝶左の顎をとらえるとそっと顔を寄せてくる。

蝶左は動くことなくその行為を受け入れた。



ちゅ…。


誰にも邪魔されることなく二人の唇が触れあう。

一度軽く触れてから二度、三度と繰り返す。

そして、ゆっくりと、どちらかともなく離れ、隣り合わせで壁に背中を預ける。

二人の距離は手が触れるか触れないかである。

「…」

「…」

さっきとは違った沈黙が暫く二人の間に流れた。

「…そろそろ。寝るわ…」

「…おぅ」

空が静かに立ち上がりそう告げた。

寝所に戻ろうと空が動きだそうとすると、

「あ…」

ぐっと着物の裾が引っ張られた。

「…なんや?…」

「…いや、なんでも…ないワケ」

蝶左は裾を掴んでいた手を離した。

空はまた歩きだし、離れからのかどを曲がる途中でふと振り返った。

「蝶左」

「?」

「続きはまた今度な」

「…なっ////!!?」

「愛しとるで蝶左♪」

「っ!!さっさと寝るワケ!!」

無邪気に笑って空は言ったそれはもう嬉しそうな笑顔で。

「…一体なんなワケ。調子狂う////////」

顔から湯気が出そうなほど赤くなりながら蝶左は呟いたのだった。


―end―

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