忍たま

□夜這いする暴君
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「いけいけ、どんどーーーん!!!」




七松先輩は今日も元気だ。


「お前達!!だらしないぞ!!!それでも体育委員か?!」


彼の体力は底無しなのだろうか。
授業が終わってからずっと動きっぱなしの為下級生達はもう、ヘトヘトだ。


「はぁ、七…松っ…先輩!はっ…ッ」


「?何だ、滝夜叉丸」


「もう、はぁ、日も、落ちて…きて、ますし、そろそろ、終わり、ませんか?」

息も絶え絶えにそう訴えかけた。

「むっ…そうか、しょうがないな。今日は終わりだ。ゆっくり体を休めろ!!!」

夕食の時間も近いせいか、意外とすんなり受け入れられた。

「また、明日もやるからな!」

「「「「えぇーーーーっ!!!」」」

前言撤回…やはりそう簡単にはいかないようだ。











夕食を終え、風呂に入り委員会で流した汗を洗い流す。

そして、部屋へともどる廊下でのこと、

私は、さっきのことを考えていた。


…全く、七松先輩は凄いな。
六年生になったら、ああも体力がつくものなのだろうか。


「はぁ」

つい、ため息をこぼす。

「どうした?滝夜叉丸。」


突如、背後から声がする。

「うわっ!!なっ…七松先輩」

思わぬ訪問者に肩をびくつかせながら驚く。

「なっはっはっ。まだまだだな、滝夜叉丸」

おそらく、背後をとられたことについてだろう。

「くっ、…七松先輩こそ、こんなところでどうしたんですか?」

やはり、背後をとられたというのは少しだけ悔しい、なので言葉に力をこめて問いただす。

「ん?あぁ。ただ……」

トサッ

一瞬、体が宙に浮かび上がる感覚に陥る。

気付けば視界が反転し、天井と七松先輩の顔が月明かりに照らされて見えた。

「夜這いにな?」

不敵な笑みとともに七松先輩がそう呟く。
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