忍たま
□これが片恋
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今日も元気に穴を掘る。
今日も変わらず穴を掘る。
今日も踏子で穴を掘る。
いつもと変わらぬ日常。
変わったのは僕の心の中。
掘っても掘っても無くならない心の中にある渇望。
一体何がしたいのか、僕にもわからない。
好きな筈の穴堀も僕を満たしてはくれない。
たまに、滝夜叉丸と七松先輩が二人で話しているのをみかける。
そんなとき、心の渇望は強くなる。
なぜかはわからないけど心臓がチクリと痛む。
この痛みの理由はなんだろう。
わからない。わからない。
前に、保健室に行って伊作先輩に聞いたけど、体に異常はどこにもなかった
どうしてだろう。何故こんなにも心臓が心が痛いのだろう。
わからない。わからないんだ。
だから、僕は穴を掘る。
渇望や心臓の痛みを誤魔化すかのように。
「あ、滝夜叉丸」
「おや、喜八郎じゃないか。なにをしてるのかな?」
「穴を掘ってるに決まってるじゃん」
「そうか、まぁそれより聞いてくれ実は――」