忍たま

□頼もしい後輩
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「次屋先輩。迷子にならないよう手を繋ぎましょう」

金吾は右手を次屋に差し出しながら言った。

「手を?どうしたの急に」

「次屋先輩は無自覚な方向音痴ですから」

「……そんなこと、ないとおもうけどなぁ…」

「そんなこと言っているからいつまでも先輩方に迷惑をかけるんです。」

(…おっしゃるとおりです)

自分で方向音痴を自覚していないとはいえ、いつも先輩方に迷惑をかけているらしいのは知っていた(主に滝夜叉丸と作兵衛)。

(作兵衛も困ってたなぁ)

迷子になっているのは皆の方なのに。と思いながらもここは金吾に従う事にした。

自分よりも小さい体ながらも男らしい金吾のてに引かれながら次屋はボソッと呟いた。

「やっぱ金吾も男の子なんだなぁ…」

「は?何を当たり前のことをおっしゃっているんですか?」

「いや、手にマメとかできてるし体もがっしりしてるし…男らしいなぁと思って」

「そりゃあ、委員会で七松先輩について行くので自然と体力はつきますけど…手のマメは戸部先生との剣の修業ですし…」

「そっか」

自然と頬の緩みを感じる。

普通に会話をしてるだけなのに何故だか金吾といると不思議と笑顔になれる。

(…癒されるって、言うのかな)

「次屋先輩、何を笑ってるんですか」

「ん?あぁ、いや金吾は頑張り屋さんだなぁと思って」

「…褒めても何もでませんよ」

「いいのいいの。俺が勝手に思ってるだけだから」

金吾の顔が可愛らしく赤くなっている。

(本当に…可愛いなぁ)

後輩とのちょっとした会話を堪能しながらてを繋ぎ歩く。

七松先輩率いる体育委員会が集まる場所まであと少し、


(もう少しだけこうしてたいなぁ…)

と考えながら次屋は頼もしい金吾にひかれていった。

end.

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