小説
□僕、私
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僕には、もう、親がいない。
両親がいなくなってからは村の人が面倒を見てくれていた。
だけど、日照りが続いたある日、人身御供として僕は山に置き去りにされた
仕方がないことだ、皆が助かるために僕のような、孤児が選ばれるのはよくある話だ。
頭ではわかっていた。
だけど、とても悲しかった。
何故、僕が?
どうして僕を選んだの?
こんなことをして何になるのだろう。
子供ながらに矛盾をかんじて。
思いを、感情を誤魔化すことに必死だった。
これは、大人のエゴだ。
力もない反対するような者もない小さな僕を。
別に構わない。それが普通なんだ。
もし、あの世があるならいつか必ずや
この恨みをはらしてやる!!
そう、心に誓って。
僕の人としての命は終わった。