小説

□平和な日々
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目を開けた。

目にはいる抹茶色の髪。

笑顔を向けて俺は言う。

「おはよう!蝶左!」

俺の声に反応して薄紫の瞳を向ける。

「おはよう、起きたのか烏頭目」

「おぅ!腹へった!」

「フッ、飯にするか?」

「うん!俺、肉食いてぇ!」

「ちょっと待ってろ」

機嫌がいいのか俺のワガママも軽く受け止めて、どうやら朝飯を作ってくれるようだ。

「ふんふーん♪」

ガラッ

突然、襖が開く。

「烏頭目、機嫌いい」

青色の髪をした小さな少女が入ってきた。

「おー、水面。蝶左が朝飯作ってくれるって!」

「でも…さっきあの人達も用意してた」

「あの人って空たちのことか?」

「そう」

どうやら、少しすれ違ってしまったようだ。

「んー、出てったばっかだし今追いかければ間に合うかなー」

「ん…ちょっと待って…」

キィィィィィン

どうやら、目の力が発動したようだ。

「…大丈夫。心配ない…けど皆の所に行ったほうがいい…」

「?じゃあ、行くか!」

よくわからないが水面に手をつきだすとそっと手をのせてきたので、ぎゅっとにぎりしめた。

「…うん」

水面は少し嬉しそうに手を握り返してきた。

部屋を出て、廊下を少し歩くと空達の声が聞こえてきた。

声の聞こえて来る方向に近づくとそこはどうやら台所のようで中を覗くと皆が揃っていた。


「おはようー!」

「おっ、おはようさん。お前達も来たんか」

「おぅ!」

台所のすぐ前は座敷になっており食事ができるようになっていた。

その座敷に腰を掛けて空が手招きをする。

「今日の朝飯は薬馬と蝶左が作ってくれるんやて、せやから烏頭目達はこっちで座っときぃー」

にまにまと愉しそうな顔で空は言う。



そして待つこと数分後…。


朝飯としては中々、豪華な品々が並べられた。

「「おぉーー!!」」

それらを見て、つい声をあげる。

「まぁ、好きな食材を使っていいっていわれたからな。こんな時くらい少し贅沢していいだろう」


「…それは、いいんですけれど朝からこんなに食べられませんわ」

「その点は、大丈夫だ。なぁ、蝶左」

「あぁ、むしろこのくらいのがいいワケ」

「そうですか…?」

「早く、食おうぜー!!」

「そうやな」

皆が座るのを見計らって手を合わせる

「「「「「「いただきます」」」」」


ぱくぱく

もぐもぐ

がつがつ

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