小説
□【続編】満月の夜
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「…なんだ、医者か」
「あぁ、急にすまない。何してるんだ?」
(…しまった)
「…、何でもないワケ、医者こそこんな夜更けに何してるワケ?」
「俺は、厠に…って、おまっ!まさか煙草吸ってたのか!?」
(…面倒くせー)
「あれほど、体に悪いっていっただろ!!」
「別に、俺の勝手なワケ、誰にも迷惑かけてねーし、いいだろ」
「よくないだろ!!そういう、油断が病気に繋がるんだ!!」
「…うるせーな…」
「なっ…!」
(蝶左が反抗期!!)
「と、とにかくそのキセルをよこせ」
「はぁ!?やなワケ」
「いいから!!」
「よくねー!!」
と、なんともいえぬ言い争いの果てに
ドッターーン!!
「っ…いたた」
「…痛っ」
気付けば、蝶左の上に薬馬は馬乗りの状態になっていた。
「…っ/////」
月明かりに照らされ、蝶左の白い肌が浮かび上がる。
辺りの暗さや僅かな髪の隙間から上目遣いに向けられた薄紫色の瞳が情欲を誘う。
「…い、しゃ…」
まだ、倒れた時の衝撃が残っているのか舌足らずで紡がれた言葉に薬馬の理性が限界を迎えた。
ただでさえ、倒れていて不利な状況にある蝶左の肩に力を込めた薬馬の手がのせられた。
「…ッ」
(やべぇ、逃げれねぇ;;)
徐々に近づいてくる医者の顔
実際には数秒とかからなかったはずが数十分、数時間にも感じられた。
(…医者って意外とキレイな顔立ちだよな)
などと考えている隙に
唇が塞がれる。
「んっ…」
触れるだけだったキスは次第に濃厚なものへと変わっていく。
「んっ…ふっ…あ」
息も絶え絶えに口づけを繰り返す。
「もっ、やめっ…医者ゃあ…」
息を乱した蝶左が抗議の声をあげる。
それを、まるで聞こえていないかのように薬馬は止まらなかった。