本
□迷いし闇の吸血鬼……
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あれ?今何か変な違和感を感じた気がする……
コツ。。コツ。。グゥ〜〜〜ン。。
まただ!?
このトンネルに入ってから何かがおかしい。それに…少し背丈がが低くなったような気がする……
悠斗は、焦りながらもゆっくりと後ずさりしながら振り返り、入り口に向かって走り出す。
ググググ。。。
まただ!!
今度は突然肩が重くなり、胸がたぷたぷと揺れ動く不快感に襲われた。
俺は立ち止まり、恐る恐る胸を触ってみる。
『むにゅぅ』
むにゅぅ?通常ではありえない、やわらかく、ふくらみのあるものが俺の胸にはついていた。
その感触に驚き、胸を見てみると……
「ああああぁぁぁ!!!」
指は女性のように細くなっており、胸にはふっくらとした脂肪の固まりが…
俗に言う、おっぱいががついていた。
それに…声までもが女性のように、細く、高くなっている。
まさかと思い、腰から股間へと手を滑らせて見ると……
ふぅ…くびれはできていたが、きちんとついていた。
ほっとしたのもつかの間、このままのこの体で出て行くわけにはいかないだろう。
冷静さを取り戻すため、とりあえずその場にしゃがみこみ、どうするべきかかんがえることにした。
さわさわ。。
首にむずむずとした感触がしたので触ってみると、髪も伸びている。
このままここにいると、逆にまずいかもしれないな……
チラッと足に目をやると、毛も生えていないようだった。
悠斗が膝に手をあて、立ち上がろうとする時、
「ねぇねぇ」
女性の声が聞こえたが、明かりが少ないせいで姿が見えず、トンネルで音が反響して声がどこから聞こえているのかすらわからない。
「どこだ!?」
なれない女の声で話しかける。
「ここよ、ここ」
ひたひたと音が響く。
しかし、近づいているのか、離れているのか、それすらもわからない。
辺りを見渡すが、やはり薄暗く女性の姿が見えない。
しかし、ひたひた。ひたひた。と、音がだんだん速くなってきている。
バッ!!後ろから回りこまれた!?
むっちりとした、やわらかいものが背中にあたり、後ろから、すらっとした細身の腕が回され、お腹の前で腕が外れないよう、しっかりと自分の両腕を掴んでいる。
腕を激しく動かしもがくが、女性の体になってしまっている今では、振りほどくことすらままならない。
「うふふ…つっかまえた」
この声はさっきの女か!?
俺は首を振り向かせた。