稲妻11

□アル・リヴェルソに愛して
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「しおりー!!遅くなってごめんねただいまあーっ!!」

『汗だくの体で抱きつくな馬鹿!』


そう、この技の名前は……そうだメテオシャワーだよ痛い痛い死ぬ





ツンデレktkr!






「しおりは相変わらず照れ屋さんだね」

『リュウジは相変わらずクソだね』

「女の子がクソなんて言葉使っちゃいけませんー」

『今日のご飯不動が暑中見舞いに送ってきたバナナね』


あれ、今冬だよ。このバナナ黒を通り越して異次元色だよ。
てかしおりちゃんそんなに押し付けないでいてててて



『ていうか早く風呂入って来い』

「あ、じゃあ一緒に入『らない』…ですよねー」

『あ、風呂沸かしてないから入れたかったら洗って』

「………晩御飯は?」

『? 今から作るけど』

「そっか…!しおりいつもありがとう!」

『………意味わかんない』



久しぶりに照れたしおりの顔を見れて、テンション高く風呂場に入ると、
見えたのは1cmにも満たない石鹸と、
空になって転がっていたシャンプーとリンスの入れ物だった


「………しおりさーん」

『…リュウジ?何か呼んだ?』


ぱたぱたとスリッパの音を鳴らせて風呂場まで来てくれた。
かわいい。襲いたい。
……でも今はそれどころじゃない。


「風呂場の一式全部切れてるんだけど」

『…………あ、それ…は』


半ば呆れ口調でそう言ってみれば
何か詰まることがあったのか口篭るしおり。


「………しおり?」

『……………………リュウジが

「? あ、オレが?」

『リュウジが……連絡もなしに、こんなに、遅く帰ってくるからじゃんか!!馬鹿!ハゲ!抹茶ソフト―!!!!』

「あ、え?!ちょ、ちょっとしおり!!」


拗ねた……!!!ありゃ愛人の枕抱いて寝にいったな。
どうしよう。オレまだ体洗ってすらないんだけど。


…………まあいいか。







「……しおりー?」


あ、布団丸まってら。かわいい。
それにしてもしおりかわいい。
それにつけても……これは違う。


「しおりー」


布団ごとしおりを抱きしめると、一瞬びくっと揺れた気がした。
その布団がやたらと冷たくて、体温が下がっていく感じがする


「……連絡出来なくてごめんね?」

『………知らない』

「何でもするから機嫌直してよ」

『……そこから飛び降りて』

「それでしおりの機嫌直るんならオレは喜んで飛び込むよ」


しおりは屈折してる。
だから、それに賛同するような答えをしたらムカついて本音を話してくれる。
長年の経験からそれは承知済みだ



『…………リュウジ』

「ん?」

『あ、の………』

「……長い間一人にしてごめんね?」

『…! ………うん……寂しかった


デレた……!!やっとデレた……!!
そんな不謹慎な事を考えながら、布団からようやく出てきたしおりを見つめる。


『…………リュウ、ジ?』

「…? あれ、どうしたの?」

『………………………………………服は?』

「必要?」

『ひっ、必要に決まってるじゃんか!!な、なんではだ…』

「機嫌直ったら襲わせてくれるかと思って」

『なんでそうな……ちょ、ちょっと!やめっ』


すっとしおりの服の中に手をすりこませると、案の定彼女は驚いて硬直する。
それに痛いくらい口角を上げてオレは彼女に囁いた



「だって、もう我慢できないんだよ」





アル・リヴェルソに愛して

(オレが全部受け止めるから)




(腰が、痛い…!動けないー…!!)
(大丈夫、ちゃんとお風呂入れてあげるから)









***

思ったより捻くれさせれなかった…!!!
というか緑川がただの変態n((((
いや、だからそういう役目はビッc(((

アル・リヴェルソ al riverso【伊】
と、いうのは音楽用語で反進行 と言う意味の発想標語です。
捻くれ者なお嫁さんにピッタリかと(笑)

シリーズ化したい。だが長編は無理である。
うーむ。どうしましょうか……

お読み下さったしおり様、ありがとうございました♪
誤字脱字ありましたらお申し付けくださいませ!



20100325

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