稲妻11

□甘いクラウディ
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彼女は、いつもどおりだった







sweet cloudy






ボクがアツヤのことで悩んでいたときも、
風丸君がダークエンペラーズとして現れたときも、
確固としてその笑顔を絶やさず、
いつもどおりに接していた。

それが、何故だか分からなかった。


別に、心配してほしかったわけじゃない。
けれど、普通人間というものは例え心配していなくても
声をかけるくらいはするんじゃないだろうか。


それを風丸君に聞いたら、彼は苦笑してこう言った。


「あいつなりの……優しさなんじゃないかな」

「……やさしさ?」

意味がわからなかった。
どういうことかと聞けば風丸君は
「おまえにもそのうちわかるよ」と、去ってしまった。


やさしさ?

やさしさってなんだろう

ぼくは、しらない




『ふーぶき!』

「……あれ、しおりさん?どうして…」

『どうしてでしょう?』


分からないから聞いているのに。
答えようがなくて小さく苦笑すると、
しおりさんが小さくボクの頭を撫でた
頭を撫でられるのは、嫌いじゃない


『しってるー?今日は雨が降るんだよ』

「絶対?」

『ううん、60パー』


それなら絶対なんて言えないね、と小さく笑って見せれば
彼女もくすくすと小さく笑う。

でもあのお姉さんの天気予報結構あたるんだよーと自慢げに言う。
別に自分が当てたわけでもないのに、嬉しそうに言う。


『ごめんね、邪魔しちゃって』

「え?」

『ひとりになりたかったんじゃないかなーって』

「…………」

そのとおり。
ボクはひとりになろうと思って皆から少し離れた木陰に居た。
だから彼女が来たとき、少しだけ疎ましく思ったものだ


『邪魔して悪かったね』


パサっと音を立てて、彼女はみんなの元へと戻った。
音の正体を突き止めようと後ろを振り返ると、
女の子には不似合いな暗い色の傘が置いてあった


ふと彼女に目をやれば、キャプテンたちが笑っているのを眺めて、
小さく微笑んでいる。

それを見てなんだか心が朗らかになったボクは、
彼女の渡してくれた傘を握り締めた



雨が、降り始めた













(心の靄を取り払ってくれるような)(透き通る、冷たい雨だった)





***

吹雪夢書きたかっただけなんだ
最終的にgdgdっていう



20110818

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