黒バス

□わたしにはこいびとがいます
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「――…さん、僕と付き合ってください!」


金色の髪が下へ垂れる。勿論私が頭を下げたからだけど。

「…?! あ、あの…」
「ごめんなさい。私貴方の気持ちには応えられないの」
「……どうしてですか?」

哀しそうに聞き返した彼には少し悪いけれど、私はにっこりと満面の笑みを浮かべこう言った。











「たっだいまー」
「あ、おかえりしおり。今日は遅かったっスね?」
「例のごとく呼び出されてましたー」

珍しく私より早く帰っていたその人は、私の声を聞くと同時に私を玄関まで出迎えに来た。
靴を脱いでぴょんと肩に飛びつくと、驚きつつも抱きしめ返してくれる。

「ちゃんと断った?」
「もちろん!だってしおりには涼ちゃんが一番だもん!」
「しおり…俺だってしおりが一番好きっスよー!!」

興奮して強く抱きしめてくれる時は、ほんのちょっとだけ苦しいけど、
涼ちゃんが幸せそうだから別に我慢できるんだ。

今日みたいに私が遅い時はご飯まで用意してくれるの。
お父さんとお母さんが夜遅くまで帰ってこなくても、涼ちゃんがいるからへいき。

「涼ちゃん明日お仕事は?」
「休みっス!一緒に出かけよっか?」
「…!うん!お兄ちゃんだいすきっ!」
「こら、その呼び方しちゃ駄目って言ったっスよー?」

私はこれからもずーっと、涼ちゃんと一緒にいて、大きくなったら結婚するの!
いつか、それが叶ったらいいなあ。



「私には金髪でモデルの天才バスケプレイヤーの恋人がいます」


(おにいちゃんって存在の、ね。)





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