NOVEL

□姫の心は誰のもの?
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今夜もここ
真選組の屯所内は騒がしかった



「副長〜ッ!!」

「…あ?どうした?」

副長と大声で呼ばれた土方は軽い頭痛さえ感じながら向かい側の廊下にいる隊士に問い掛けた

「沖田隊長が失踪しましたぁっ!!」

「んのヤロォ…」

土方は沖田と聞いた途端に眉間の皺を深める

更に失踪したということは何処かであの人を小馬鹿にしたようなアイマスクをきっちりつけて仕事もせず寝ていることだろう

チッと舌打ちし沖田の行きそうな場所を頭に思い浮かべる

「あぁ、テメェも仕事戻れよ、教えてくれてありがとな」

土方は言葉遣いこそ乱暴だが薄く柔らかい笑顔を浮かべるさまはとても綺麗だった

そんな土方を見た隊士がどう思うかは言わずとも知れた

顔を赤らめ初な反応をする隊士に土方は鈍く不思議そうに首を傾げ「熱があるなら休めよ」と一言声を掛け沖田を探しに走って行ってしまった
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