NOVEL
□姫の心は誰のもの?
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「副長ーーーっ!」
ちょうど屯所を出ようとした矢先に自らを呼ぶ声が後ろから聞こえてくる
この声は…
ボスッ
「〜ッ!」
「あれ?副長?ぎゃ!!す、すすすすみませ…」
「テメェ!山崎!オメェ人の背中にタックルするたァ大した度胸じゃねェか」
「ギャーッ!!刀は、刀はしまってくださいぃッ!!マジ死ぬ!!マジ死ぬからァァァッ!!」
山崎の謝罪の言葉も虚しく我等が副長は鬼と化していた
刀を構えたその姿はまるで般若だった(山崎談)
なんとか殺されるのだけは免れた山崎は当初の目的であろう書類を土方に見せた
「最近桂を見掛けたという情報が上がっています。詳細はこちらに…」
「あァ…すまねェ、今総悟のヤロー探してっから俺の部屋置いといてくれねェか?」
そう言ってすまなさそうに僅かに首を傾げる土方に萌えた山崎は
必死に鼻血を押さえかろうじて了解しました…と言いそそくさと土方の部屋へと消えて行った
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「さて、あンのヤローどこ行きやがったんだ?」
土方が歩いているのはよく巡回に来るかぶき町
沖田が居るであろう場所を歩いて回る
突然、路地裏から伸びた腕に土方はそのまま引き摺り込まれた
後ろから抱き締められるような形だが土方の首元には刀が光っている
「ククッ…よォ…久方振りだなァ」
「テメ、ェ…ッ!!」
土方を抱き締めているのは指名手配犯で土方もよく知る攘夷派の高杉だった
一刻も早く相手の腕の中から抜け出したい土方だったが首元に当てられた刀のせいで抜け出すに抜け出せない