雑記的な物
□戦いの果てに……。
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「きゃあぁぁっ!」
俺は妹の悲痛な叫びにハッと顔を上げた。
ヤツだ、俺達の前にまたあの敵が現れたのだ。
「何やってるんだ、早く倒しちまえ!」
手元にあった兵器を俺は妹に投げ渡した。
だが妹は恐怖のあまり戦意を無くし、ガクガク震え出してしまう。
やはり、幼いこの子にコイツの相手は無理があったか……。
俺は仕方なく武器を手に取り、敵と向き合った。
「……う」
想像していたよりもずっと大きな身体に、俺も一瞬怯んでしまう。
それでも妹を背後にかばい、ヤツのその黒い肉体に一撃を放つ。
だが……。
「何ィ!?」
速い!
ヤツは長い触覚を不気味に動かし俺の攻撃を紙一重で避けきった。
すかさずもう一発と思い武器を振り上げるが一足遅く、敵はその俊敏な動きで物陰に身をひそめてしまう。
「くそ、どこだ…!?」
俺は慌てて周囲を見渡す。
このまま逃がしてしまえば、いつまた不意打ちをされるかわからない。
だが闇雲に捜しまわるのはこの場所では足場が悪すぎだ……。
どうすればいい……?