雑記的な物
□戦いの果てに……。
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背中に冷や汗が流れるのを感じながら、俺は一瞬たりとも気をゆるめる事なくヤツの気配を探り続けた。
「お兄ちゃん、そこ!」
妹がある一点を指差し、俺もその方向へ目線を向ける。
いた!
今しかない。
俺は渾身の力を込め、ヤツに最大の必殺技を叩き付ける。
「てやぁぁぁっ!」
全身全霊をかけたその技は、見事にソイツの身体に命中した。
よし。
俺は自分の勝利を確信する。
……が、そこに油断があった。
倒したと思っていたヤツはすぐに起き上がり、隠していた羽根を大きく広げて俺に飛びかかって来たのだ。
「……くっ」
俺は素早く起き上がり迎え撃とうとしたが、咄嗟の判断に身体がついていかず、バランスを崩して後ろ向きに倒れ込んでしまう。
その隙をついて敵はものすごい勢いで俺に襲いかかって来る。
しまった……!
あと一歩だったのにと悔しさが込み上げる。
だが、その時だ。
突然どこからか霧のような固まりが吹き荒れ、敵を地面へ振り落としたのだ。