雑記的な物

□拍手の小話C
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 あるところに、豆の木町という名の町があった。
 ちょっと変な名前の町だが、この町で起こる事件やなんかはもっと変なものばかりである。

「フハハハハハ、この町は我らが支配する!」

「わー、また怪人が現れたー!」

 そう、なんとこの町はよく謎の怪人から襲われているのだ。これを変なことと言わずになんと言うのだろうか。

 しかし、いくら町が襲われて人々がピンチになろうとも、なんの問題はなかった。
 なぜならこの町には、救世主がいるのだから。

「待てぇ!」

 と、言って登場したのは、赤、青、黄、桃、白の全身スーツを着た謎の五人組だった。
 その真ん中に立った赤い人がカッコよく怪人を指差した。

「僕達はこの町を守る正義の戦士、イケメン戦隊イケメンジャー! 悪い奴はやっつけちゃうぞ!!」

 無駄にポーズまでつけて言ったのは、イケメンジャーとかいうヒーローのレッドだ。
 だがすかさず横にいた黄色い人が彼の頭をぶっ叩く。

「そのダサい名前をやめろ馬鹿!」

「アーッ!」

 レッドはイエローの攻撃を受けた。

「こら二人共、私達の肩に町の運命がかかってるんだから、もっと真面目にやらないと!」

 初っぱなから馬鹿やる二人にホワイトは怒り、ちょっと離れたところでブルーとピンクがその様子を眺めていた。

「まったく、またこうなるのか」

「ほんと仕方のない人達ねぇ」

 眺めるだけでどちらも止めに入らない。
 戦闘に突入するかと思わせておいて無視された怪人は、どうしようか困った。

 やる気のないヒーロー達に、呆れ返る町の人々。

「おいおいまた喧嘩してるぞ」

「アイツらって仲悪いのかなぁ?」

 町に怪人が現れると必ず止めに入る謎の五人。そして必ずくだらないことで喧嘩をして無駄に時間を使う謎の五人。

 彼らこそ、この町でもっとも変な存在なのであった。



 
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