雲骸雲小説。

□夏。  骸雲
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「暑い」


「そうですね」

「なんとかしてよ」

「いや、無理です」

骸は学校で借りてきたらしい文庫本を片手に、僕の方を見ずに答える。


…ムカつく。





夏のように暑いなら、クーラーつけるのに。


微妙にむしっとしたこの空気が変に暑くて、かといってクーラーをつけるほどでもない。



まだセミはないていない。


風は吹かない。


雲がどんよりと空を覆う。



「………」

ふと骸を見ると、まだ本に没頭している。


僕の方なんか見向きもしない。


そして…


「ねぇ骸」


「はい?」




「暑苦しい」







あ、やっとこっち見た。

「…………」

「なんで長袖着てるの」


「……別によくないですか」


「だから見てて暑いの」

「そんな横暴な……」


「並盛の人間が見たら九割は暑苦しいって感じるね」


「断言しちゃうんですか」

「だって僕がそう思うんだもん」


「そうでしたね……」


何その目。


「ねぇ骸」

「はいはい」


答える気ないな、こいつ。





「……もういい、クーラーつける」















むくれた雲雀の機嫌を直すのに骸は、それからしばらく時間がかかったそうな。









何が書きたかったのか不明なもの。

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