色彩の庭園

□影の薄い勇者さん
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先日、涼太君にパーマをかけにつれていってもらったり、
征十朗に服をかってもらったり、
何やらもらってばかりです。







支度をして広間にきても
誰もいません。
それなら、皆さんの朝食でも作りましょうか。



確かルールでは毎週当番があるそうですが、
これくらいなら大丈夫でしょう。



『わっ、調理器具たくさんです…』



台所にはいると、たくさんの調理器具がありました。
キョロキョロみていると、
上から変な音が。



「白羽さん危ない!」



不意に、声が聞こえ
私は誰かに抱きしめられていました。
頭をかばうような感じで。



「大丈夫でしたか?」


『あ、はい…有り難う御座います。
 えと、黒子君』


「怪我がないなら良かったです」



そういって、私を助け起こしてくれた。



「これを片づけたのは青峰君でしたね
 赤司君に報告しないと」



“征十朗に報告”



それは、とても怖いことに思えた。
普段、仕切る人で威圧感があって、時々お母さんみたいにしつこ…。
みたいな人に、報告。



ルールを破ったら、厳しい処罰を受けてもらう。



それは、その。
青峰君の死亡フラグでは。



なんて私の思案をよそに、
彼はレシピと睨めっこを始めた。



『手伝ってもいいですか?黒子君』


「でも…」


『私、料理好きなんです
 だから、是非手伝わせてください』



私も、何かを与えてあげれるような人に。
なりたいです。



「じゃあ、お願いします」



彼は、ふんわり笑った。





ー影の薄い勇者さんー



(助けてくれて、有り難う)



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