色彩の庭園

□それはとても大きな子
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『あれ?…紫原くん?』



リビングに、背の高い人が見えます。
なにやら、箱を探っているみたいですが。



「あれ〜?」


『あの、どうしたんですか?』


「ん〜、彩璃ちんか〜まいう棒知らない?」



まいう棒、
あの毎回変わった味を出す
カラフルなパッケージのやつでしょうか。



『それなら、あの箱に入ってた気がします』



少し上の方の棚に、さっきとは違う箱がみえます。
彼はいとも簡単にとってしまいましたが。



「彩璃っち〜、何か食べれそうなものないっスか?」


『涼太くん!』


「…なんで黄瀬ちんは名前で俺は名字なんだし」


『へっ?』



紫原くんが、不服そうな顔をしながら私をみています。
涼太くんと、紫原くんだから?



『ご、ごめんなさい敦くん!』



まいう棒をかじりながら、
少し満足そうな顔をしました。



なんだか、可愛らしいです。



「いっそのこと、全員名前呼びでいいんじゃないっスか?」


『え?でも…』


「彩璃ちん、何か作るんじゃなかったの〜?」


『えっはいっ、りょ、涼太くんは何が食べたいんですか?』



近寄られると、
やっぱり二人とも大きいです。



やっぱり、男の子っていいな
なんて思った日でした。





ーそれはとても大きな子ー


(でも、子供みたいな)





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