砂糖菓子の恋人たち

□俺様何様貴方様は?
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生まれてこの方、何かに悩むようには生きてこなかった。
自分でも、単純な奴と思っていた。
なのに、あれ?



私の最近の悩みは、



あまりにも成績の悪い私に先生によりつけられた、
家庭教師、赤司征十朗でした。
彼の部活の事情で、教わるのは夜。



偶然家が近かったので
教わるのは私の家ですが、



思春期らしいことも、
同級生らしいことも、
何もなく、ただ脅される日々です。



「次のテストで点があがらなかったら、もっと厳しくするからな」


『こ、これ以上!?無理だっ…』



いいかけると、
冷たい視線が降りてくる。
瞬間に、背筋が凍った。



『スミマセン!』



私はひたすらに、机の上の
何十枚もの紙に向かった。



『ここでルートをつけて…』


「その前に、その数字を移行しろ」



興味なさげに本を読んでいた癖に、
いつの間にみたんだか



「あと、問3が間違っている」



赤い前髪が、私の前にちらついて
思わずうっとりしそうになる。



「橙時、聞いているか?」


『ご、ごめんなさい』



しばらく時間がたって、



『全部解けた!』



そういったら、
少し君が笑っていた。





ー俺様何様貴方様は?ー

(そんな風に、笑うんだ)





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