砂糖菓子の恋人たち

□帝光バスケ部主将様
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『そういえば、赤司くんってバスケ部だっけ』



帰宅部の私は速攻で帰ろうと思ったが、
思わず体育館で足を止める。



バッシュのスキール音、
ドリブルの音、
ゴールをくぐる、乾いた音。
なぜか、心地よく聞こえた。



『さて、いるかな?』



体育館の中は、人がたくさんいた。
おそらく一軍の皆さんなので、ここにいるはずなんだけれど。



「何してるんですか?」


『べっ、別に赤司くんの部活の様子を見に来た訳じゃ……!
 ……えと、すみませんどちら様で?』


「黒子です、赤司君に用ですか?」


『ななな、なんでもないよ!
 い、いや〜今日は赤い…そう赤いトマトが食べたいな〜って!』


「無理ありませんか?」



突然現れた、私より少し背の高い男の子に
なぜ私はこうも慌ててるのか。



と、いうかなんだ。
この、



可愛い生物!



『く、黒子くんって、バスケ部なの?』


「はい」


『(可愛い!頭撫でたい!)』


「あ、テツく〜ん」



駆け寄ってきたのは、桃色の髪の美少女。
もっかい言う。



美・少・女!



「桃井さん」


「青峰君が呼んでるよ」


「わかりました、それじゃあ橙時さん」



もう、何で私の名前知ってんの?
とか気にならないから、
是非、頭を撫でさせてください!



という願望を込めながら、
去りゆく黒子くんに手を振った。



「橙時さん……?もしかして、赤司君に勉強教わってる橙時さん!?」


『はい!バカですみません!』



もはや敬礼の勢いで返事してしまった。
いや、可愛いからつい。



桃井さんなんかうれしそうに帰っていくけど、
どうしたんだろ。



……というか、決めた。
今度抱きしめさせてもらおう。
可愛いから。



当初の目的を忘れ
私は気分よく帰った。





ー帝光バスケ部主将様ー


(あなたの周りの友達は好き)





赤司くん登場しねぇ…
.
 

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