砂糖菓子の恋人たち

□バスケ好きなの?
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「今日は、気味が悪いぐらい気分がいいみたいだね」


『赤司くんの周りの人は、いい人ばっかだね!』



私は相手があの“赤司様”ということを忘れ、
始終上機嫌で、最近の出来事をはなしていた。



『黒子くんと桃井ちゃんは可愛いし、黄瀬くんと緑間くんは楽しいし
 青峰くんと紫原くんは、何かあの脱力感がいいね!』


「…いつの間に、そんなに仲良くなったんだ?」


『え?あぁ、最近たまにバスケ部を覗きにいって、る…か……ら』



赤司くんの目が、鋭くなった。
赤い瞳が、私を見つめる。
恐怖、それと同時に感じるのは、



美しさ。



思わず、息を飲む。



「へぇ、そんなに時間があったならこの問題も余裕だよね?」


『そっ、それは…』


「俺に言い訳するの?」



威圧感のある笑顔。
にやり、と口角をあげた意地悪な笑み。



『〜〜赤司くんがどういう風に部活してるのかみてみたかったの!!』



“言い訳するな”



そう言われたはずなのに、
気がついたら口からでていた。
思わず、手で押さえる。



…手遅れだ。



「へぇ、そうなんだ」


『毎回、タイミング悪くて会えなかったけど』


「……でもお前はテスト優先だ」


『うぅ、すみません』


「学年の半分まであがれたら、堂々と見に来ていい」


『半、分』



後ろから数えた方が早い私が、
後ろでも前でも変わらない位置にいけと?



「頑張れよ、藍里さん?」


『なまっ!?名前…!?』



新しいおもちゃをからかう君は、
たちの悪い魔王様です。





ーバスケ好きなの?ー


(全ては君の思うがままに)





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